やる気を引き出すコンクール活用法

今回はコンクールを活用してやる気を引き出す方法について考えてみます。コンクールにチャレンジすると目的意識を持つ、練習量が増えるといった良い効果があります。実際に生徒達の様子を見ていると、練習量は2倍くらいに増える傾向がありますし、夏休み期間は3倍くらいになる場合もあります。一生懸命に練習した結果、賞をもらえたりすると自信に繋がり、ピアノへのやる気も湧いてくるでしょう。ここまで聞くと、いいことばかりのように見えます。ところがメリットがある反面、心配なこともあります。

 

他者と比較されることで自信を失う、練習超過の反動で燃え尽き症候群になってしまうなど、コンクールがネガティブに作用することもあります。人は評価されることを望む生き物。これから伸び盛りの時期を迎えるのに、音楽への興味を早々と失ってしまうのは残念なことです。  そんな反動を防ぐために、私達はコンクールを申込む前に「審査結果がダメでも落ち込まない」という宣言をさせています。教育的な視点に立てば評価に関わらずコンクールを通して成長することが一番大切なのです。

 

では、どうすればやる気を引き出すことが出来るのでしょうか。

 

私達はコンクールを自立への一歩と位置づけるようにしています。例えば、基礎をしっかり鍛えるためにバッハやブルクミュラーが課題曲のコンクールを受けよう。弾いてみたかった曲にチャレンジするために自由曲で受けられるコンクールにしよう。譜読みの力を鍛えるために複数課題曲のコンクールを選ぼう。このように目的意識をはっきりさせることで、自立を促すことが出来ます。

 

ピアノの練習だけではなく、作曲家や曲の背景について調べてみることも重要です。作曲家の伝記を一冊読む、課題曲と同時代の曲を5曲仕上げてみるなど、モチベーションを高めるアイディアを考えてみて下さい。ピアノレッスンは長期戦ですから、息の長いやる気の引き出し方がカギになります。コンクールを検討されている方は是非今日のお話を参考にして下さい。

ドルチェピアノコンクール 2018 課題曲 高校生

作曲者 曲名  
プーランク 即興曲 エディットピアフを讃えて

大人な曲です。シャンソンに憧れてみよう。

シューベルトを讃えて、という曲もある。

ベートーヴェン ソナタ第8番「悲愴」より 第2楽章

言わずと知れた、ベートーヴェンの傑作バラード。

息の長いフレーズで、深遠さを追求したい。

ドビュッシー ベルガマスク組曲より「月の光」

聴き易く、弾きにくい曲です。

音色のバランスを整えて、極めて美しく。

シューベルト 即興曲 op.90-2

からかうようなスケールが続きます。

中間部はめりはりをつけて。

ドルチェピアノコンクール 2018 課題曲 小5〜6

作曲者 曲名  
ブルクミュラー タランテラ 毒グモに由来する舞曲との説も。アグレッシブに表現しよう。
湯山昭

お菓子の世界より 「金平糖」

メルヘンの世界を音で表現できるかがカギ。
ビール ソナチネ op.57-1
田中カレン 星のどうぶつたちより「星のうた2」 邦人による現代曲は取り組みたいところ。こちらも代表格になってきました。
マイカパル つかの間の幻 ウクライナの作曲家。同タイトルでスクリャービンの名作があります。
テレマン アレグレット 親しみやすいメロディはテレマンの妙技。右手、転びやすいので注意。

ドルチェピアノコンクール 2018 課題曲 小3〜4

作曲者 曲名  
ブルクミュラー せきれい

お馴染み25の練習曲から。

軽やかなリズム感と、スタッカートを含む明瞭なタッチが必要。

平吉毅州(たけくに) はつかねずみの運動会 研究中です・・・
グルリット 狩の曲

ロマン派時代の作曲家。

ブルクミュラーに続き、ピアノ教本の定番を確立。

三善晃 浜百合の恋 三善節とも言える哀愁漂うメロディーとポリフォニー。
バイエル 67番 弾きたい方はどうぞ。
クラーク マーチ

バッハへの導入として編集されたプレインヴェンションからの選曲。

マーチに関してはポリフォニーの要素は薄く、譜読みは簡単。

コンクールの審査

スクールの講師がピアノコンクールの審査員を務めます。

 

10/3 日本クラシック音楽コンクール 福岡本選

11/5 九州国際バッハコンクール 福岡予選

 

近年のコンクールは多様化し、目的に応じて参加者が選ぶ時代になっています。受験を考えているコンクールをあらかじめ下見しておくとよいでしょう。モチコピアノスクールではコンクールには慎重に取り組んでいます。競争意識よりも、音楽とピアノへの純粋な好奇心こそが豊かさを育むからです。とは言え、コンクールには人の関心を惹き付ける力があり、実際に参加してみると貴重な経験を得られることもあります。親御様からコンクールの相談を受ける時には、参加を決める前にしっかりと話し合い、結果に関わらず受験後もピアノを楽しく続けられるように努めています。今回の審査を通して、出来るだけ子供たちのは励みになるようなメッセージを伝えられたらと思います。

ショパンコンクール in Asia 課題曲 小1-2部門

 

①チャレンジピース②譜読みし易い曲③お気に入りに星印をつけています。地区大会の課題曲、遺作のワルツ2曲は、技術的には入り易い曲だと思います。小さな手でショパンのエスプリに触れられる貴重な曲です。パデレフスキ版には載っていませんが、全音から出ている遺作集には収められています。Op.70-2、小学1〜2年にしては大人っぽい曲だと思いますが、素敵な曲です。グリンカとブルグミュラーでも参加出来ます。

地区大会

作曲者名 曲名  チャレンジ 譜読みし易い お気に入り
グリンカ ポルカ ニ短調   ☆   
ブルグミュラー 25の練習曲 パストラル   ☆   
ショパン ワルツ 変ホ長調 遺作    
ショパン ワルツ イ短調 遺作    
オギンスキ ポロネーズ 変ロ長調    
シマノフスカ カドリーユ ヘ長調      
コズウォフスキ コルトダンス      
ポーランド民謡 マズルカ      
ポーランド民謡(ルジツキ編曲) オペレク      

全国大会

作曲者名 曲名 チャレンジ  譜読みし易い 

お気に入り 

ショパン ポロネーズ ト短調 遺作      
ショパン ポロネーズ 変ロ長調 遺作   ☆ 
ショパン ポロネーズ 変イ長調 遺作    
ショパン ワルツ ヘ短調 Op.70-2  
ショパン マズルカ 変ロ長調 Op.7-1      
シマノフスカ コルトダンス    
コルベルク 2つのマズルカ 第1番      
ポーランド民謡  ポロネーズ      

ピティナ課題曲 2016(D級)テクニック難易度

D級では読譜力と曲を弾きこなす技量が求められます。4曲を並行して練習しなければいけませんから、時間の確保も大きな課題になります。バッハは音楽的にどれも素晴らしい作品です。難しいのはフランス組曲5番ジーク、シンフォニア12番。複雑なポリフォニーが苦手な人は、ヘンデルのファンタジアという選択肢もあり。クラシックではモーツァルトのソナタがチャレンジになると思います。テーマの捉え方が非常に難しく、意見の分かれやすい曲だと思います。ハイドンとベートーヴェンは対照的な曲が選曲されています。ロマン派。エチュード系とそれ意外の3曲に分かれていますね。D級の年齢ではショパンエチュードに達していない方が多いと思いますから、あえてエチュードを弾く必要はありません。華やかなショパンのワルツ。内向的で詩的なシューマン。悲哀に満ちたチャイコフスキー。歌のタイプが異なる3曲から選べるようになっています。個人的にはシューマンがおすすめ。近現代ではドビュッシーが難易度高めです。ただ、ショパンエチュードのように手が完璧に出来上がっていないと上手く弾けない、というわけではありません。好きならば、是非チャレンジしてみましょう。注目はプロコフィエフの夏の精。ロマン派には見られないプロコフィエフ独特のシニカルな詩情が感じられます。シンデレラについてはこれからレッスンで取り入れていきたいですね。さて、B、C、D級と分析をしてきましたが、あくまで参考までに。音楽への興味を絶やさずに、練習頑張って下さい。

 

A=易しい B=中くらい C=難しい

時代様式 作曲家名 曲名 ①指の独立・俊敏性 ②親指・手首の柔軟性 ③重音・和音の奏法 ④歌唱的な奏法 ⑤ポリフォニーの奏法
バロック J.S.バッハ シンフォニア          
    1番  A  B  A  B  C
    4番  A  B  A  C  C
    7番  A  B   A  C  C
    8番  A  B  A  B  C
    12番  B  B   A  B  C
  J.S.バッハ フランス組曲          
    1番アルマンド  A  B  A  C  C
    1番ジーグ  A  B  A  B  C
    5番アルマンド  A  B  A  B  C
    5番ジーグ  B  C  B  B  B
    6番アルマンド  A  B  A  B  B
    6番ジーグ  A  B  A  B  B
  ヘンデル ファンタジア ハ長調 HWV490  C  B  A  B  A
  リュリ やさしいうた  A  B  A  C  A
クラシック ハイドン ソナタ Hob.XVI/39 第1楽章  B  B  B  B  A
  W.A.モーツァルト ソナタ KV.570 第1楽章  C  C  B  B  A
  ベートーヴェン 7つのバガテルより第1番 Op.33-1  A  B  B  C  A
ロマン ショパン エチュード          
    Op.10-4  C  C  C  B  B
    Op.10-5  C  C  C  B  B
    Op.10-8  C  C  C  B  B
    Op.10-9  B  C  B  B  A
    Op.10-12  C  C  C  B  B
    Op.25-1  B  C  B  C  B
    Op.25-2  B  C  B  B  A
    Op.25-6  C  C  C  B  B
    Op.25-12  C  C  B  B  A
    3つの新練習曲 第1番  B  C  B  B  B
  モシュコフスキー 16の技術練習曲 Op.97          
    2番  B  C  C  A  A
    10番  C  C  B  B  B
    13番  C  C  B  B  B
    15番  C  C  C  B  B
  ショパン ワルツ 遺作 変ホ長調  A  B  B  C  B
  シューマン 「森の情景」より宿屋 Op.82-6  A  B  B  C  B
  チャイコフスキー ノクターン Op.19-4  B  B  B  C  B
近・現代

プロコフィエフ

組曲「シンデレラ」からの10の小品 Op.97より夏の精

 B  B  B  B  B
  ドビュッシー 「子供の領分」よりグラドゥス・アド・パルナッスム博士  C  C   B  B  B
  宍戸睦郎 ピアノソナタ第2番 第1楽章  B  B  B  A  A
  シャブリエ 音楽帳の一貢  -  -  -  -  -

ピティナ課題曲 2016(C級)テクニック難易度

ピティナピアノコンペティション2016年度、C級課題曲ではバロックにインベンションが登場します。15曲全て素晴らしいので1曲を選ぶのは難しいです。個人的には13番、14番、15番、4番、6番あたりをコンクールでは選曲しています。インヴェンションの難易度は省略させて頂きます。インヴェンションはバッハのフランス組曲5番ガヴォットに比べると、ポリフォニー奏法は難しいです。古典派の課題曲には定番のハイドン、モーツァルトに次ぐ第3の選択肢としてドゥシークが出ています。チェコ、ボヘミア地方生まれの作曲家です。同じクラシック時代のクレメンティ、クーラウと並んでソナチネが有名。ベルトミュー作曲の「気まぐれなろば」は時々、レッスンの課題にも選んでします。勢い、音量、パワーが必要な曲です。「カイエ・ドゥ・ルモワンヌ1巻」に掲載されています。このアルバムには他にもフランスのとても雰囲気の良い曲が集められていて、おすすめです。

A=易しい B=中くらい C=難しい

時代様式 作曲家名 曲名 ①指の独立・俊敏性 ②親指・手首の柔軟性 ③重音・和音の奏法 ④歌唱的な奏法 ⑤ポリフォニーの奏法
バロック J.S.バッハ インヴェンション  -  -  -  -  -
  J.S.バッハ フランス組曲5番 BWV.816 ガヴォット  A   A  B  B  B
  T.シルコット サラバンド  -  -  -  -  -
クラシック ドュシーク ソナチネ ト長調 Op.20-1 終楽章  B  B  A  B  A
  W.A.モーツァルト ウィーンソナチネ第6番 第一楽章  B  B  A  B  A
  ハイドン ソナタ Hob.XVI/27 第1楽章  C  C  B  B  A
ロマン ヘラー なだれ Op.45-2  C  C  B  B  B
  グリエール 前奏曲 Op.31-1  A  B  B  C  C
  ショパン マズルカ第5番 Op.7-1 変ロ長調  B  B  B  C  B
近・現代

マルク・ベルトミュー

気まぐれなロバ  B  B  C  B  B
  プロコフィエフ バッタ(きりぎりす)の行進 Op.65-7  C  B  A  B  A 
  香月修 スペイン風ワルツ  B  B  B  C  B
  金井秋彦 スケルツォ  -  -  -  -  -

ピティナ課題曲 2016(B級)テクニック難易度

ピティナピアノコンペティション2016年度の課題曲を分析して5つのテクニック要素で難易度を評価しました。5つのテクニック要素はフランスの巨匠アルフレッド・コルトーのピアノメソッドからヒントを得ています。テクニック面から無理のない選曲、長所が生かせる選曲をして頂けたらと思います。

A=易しい B=中くらい C=難しい

時代様式 作曲家名 曲名 ①指の独立・俊敏性 ②親指・手首の柔軟性 ③重音・和音の奏法 ④歌唱的な奏法 ⑤ポリフォニーの奏法
バロック - ハンガリー行進曲  A  A  A  C  B
  ヘンデル アリア  B  B  A  B  C
  クープラン ブーレー  B  A  B  C   B
クラシック アンドレ ソナチネOp.34-1 終楽章  B  A   B  A  B 
  ハイドン アリエッタ第1番変ホ長調 Hob.XVII-3  A  C  B  C  A
  ベートーヴェン ソナチネ へ長調 第1番  C  C  B  B  B
ロマン シューマン 乱暴な騎手 Op.68-8  B  B  C  B  C
  チャイコフスキー 朝の祈り Op.39-1  A  B  C  C  C
  ブルグミュラー やさしい花 Op.100-10  B  B  A  C  B 
近・現代 ギロック カプリチェット  C  C  B  B  A
  A.ハチャトリアン スケルツォ  B  B  B  B  B
  湯山昭 メロディー  B  B  B  C  C
  渡部賢士 ピクニックへ行こう  - -  -  -

17th ショパンコンクール オンエア

ワルシャワのショパンピアノコンクールは5年に1度開催される世界最高峰の国際コンクールです。アルゲリッチ、ポリーニ、ツィメルマンなど名だたるピアニストを輩出してきた同コンクールは、数々の国際コンクールが設立されてはその価値が薄れていくなか、現在でも特別な存在であり続けています。ショパンは日本でもこよなく愛されている作曲家ですが、未だ日本人の優勝者は出ていません。ワルシャワでの選考には20カ国から80名の若いピアニストたちが選ばれています。日本からは12名のピアニストが予選を通過し、リサイタルステージ1に登場します。世界の舞台で演奏されるショパンをライブ中継で観ることが出来ます。是非、ワルシャワで弾いている気分でご覧ください。

ソルフェージェット 日本バッハコンクール課題曲 5-6年B

バロックの音楽にこそロマンがあって素敵だな、と思います。ロマン派の音楽には芸術家その人の個性が作品に投影されていますが、バロックでは多くの職業音楽家たちが様式の中で自由に音を操り、酔いしれ、楽しんでいたのだろうと思いを馳せるわけです。初心者でも親しめるものが、探せばどんどん出て来るのも嬉しい。王道とされるバッハのインヴェンションの他に、全音楽譜から出版されている「プレインヴェンション」はレッスンで重宝しています。J.S.バッハ、C.P.E.バッハ、W.F.バッハ、モーツァルト親子、ヘンデル、テレマンなどの大御所はもちろんのこと、ネーフェ、トュルク、キルンベルガーなどによるバロック時代の小曲が収められているアルバムです。上品で、ヨーロッパ宮廷の雰囲気をまとっています。

 

今は第六回バッハコンクールの課題曲のソルフェージェットを勉強中。ソルフェージュという言葉に「練習」「訓練」といったニュアンスが含まれます。テクニック面では指の俊敏さと強さが必要な曲ですから、恐らくその意味あいからのネーミングだと推察出来ます。曲想はトッカータ風。ダイナミックで技巧的な曲です。コンクールに限らず、普段のレッスンでも非常に有益な課題になると思います。

ショパンコンクール in アジア 3・4年課題曲(モシュコフスキー作曲:タランテラ)

ショパンコンクール in アジアの課題曲について少し解説してみます。3〜4年生部門ではショパンの子犬のワルツop.64-1がリストに入っています。子犬のワルツは手が小さくても上手く弾けますし、ショパンらしいエレガントな表現を学ぶのに適した課題です。技術面では特に右手の俊敏さと左手の伴奏法が鍛えられます。技巧的で聴き映えするという点でモシュコフスキーの「タランテラ」も良いと思います。楽譜を見てみましょう。

冒頭にPrestoと書いてある通り、かなりアップテンポです。手拍子を打つとしたら、2拍子ではもたつきますので、小節ごと1拍になります。アップテンポに自信がなければ、この曲は避けた方が賢明です。速く、con fouco 火のように。スタッカートが書かれている8分音符は短く強く打鍵します。半音階の8分音符がビートを刻んでリズムを引き締めます。最初は丁寧にゆっくり練習しましょう。右手の連打は詰まらないよう指先で速くはじきます。(鍵盤の戻りが悪いと弾きにくいです。)5と7小節にはドミナントのコードがみられます。アクセントペダルと併せて V-I-V-I の和声進行を上手く出して下さい。ペダルは打鍵と同時に踏むアクセントペダルを用います。急速なパッセージのベースによく使う方法です。譜例にはありませんが17小節目以降はシンコペーションのリズムが入ったメロディー、33小節目以降はffにアクセントのついた強烈なパートが出てきます。65小節目以降の中間部はテンポを保ったまま、いたずらっぽいニュアンスに変わります。曲を通して非常に明瞭なタッチで、次々に技を繰り出していくように仕上げて下さい。タランテラはイタリア発祥の舞曲。8分音符の連続からはイタリアらしいはっきりとした言葉の発音が感じられます。まくし立てるように速く。そんな、挑発的なところもタランテラの魅力です。

熱い夏休み ピティナC級地区本選へ

暑い日が続きます。今日も外へ出て2、3分歩いただけで汗が流れ出る猛暑。そんな中、生徒さんたちは休まず通っています。練習も普段より多く頑張っています。

 

夏のソルフェージュクラスが土曜日に2クラス開講しました。初めての聴音に取り組んでいます。日曜日のクラスは随分慣れて小学生ながら流石の貫禄。集中力も安定しています。ピティナコンペティション、ドルチェピアノコンクール、グレンツェンコンクールにチャレンジする生徒達。小学校高学年にもなると、子供達の表情が引き締まってピアノもぐんっと上達してきます。今日のレッスンではピティナの地区本選にむけて2人が奮闘中。熱いピアノの夏が続いています。

 

ピティナ課題曲 B級 手拍子そろえて(クロツキン作曲)

ピティナB級の課題曲からクロツキン作曲「手拍子そろえて」を少し解説したいと思います。「手拍子そろえて」はリズムが軽快な子供らしい曲です。譜例を見ての通り、4分の2拍子でメロディーは左手が担っています。

最初のポイントはやはり右手の裏拍のリズム感。それから、左手のメロディーを豊かに歌うこと。スタッカートとスラーが記されていますから、アーティキュレーションの明瞭さも大切です。2段目にスビートピアノで強弱を変えると、より表情豊かになります。技術面で特に難しい箇所はなさそうですが、8小節目の16分音符などは転ばずにすっきり通過したいところです。分かりやすい曲だけに、タッチと表現の明瞭さが大きな柱になると思います。この曲を通して正確なリズムとタッチを身につけて下さい。

ピティナ課題曲 C級 ソナチネ(バルトーク作曲)

2015年度ピティナコンクール課題曲の中から、5〜6年生の課題曲バルトークのソナチネについて少し解説したいと思います。予選では近代・現代を弾かなければいけません。譜読み慣れしていないと近現代の複雑な楽譜に戸惑ってしまうけかもしれませんが、技術的には程よく、音楽的な良曲だと思います。モチコピアノスクールからはC級の予選に3名が参加する予定です。「柿の種」湯山昭作曲、「ソナチネ」バルトーク作曲の2曲を推したのですが、生徒達たちはソナチネのダイナミックでカラフルな音色が気に入ったようで3人ともバルトークを選曲しました。

打楽器風のシンプルな前奏。スラーと強いアクセントの動きで鼓笛隊が行進しているような雰囲気を出せると、ワクワクするオープニングになりそうです。拍子感が最大のポイント。

基本のダイナミックはフォルテですが、左手の八分音符にはメゾフォルテ。ベースにはスフォルツァンドも見られますね。アーティキュレーションを見ると、テヌート、アクセント、スラーが見られます。小節を2-2-1-1-2で区切るとよいでしょう。左のベースにスフォルツァンドがついているのは、大太鼓などの大きい響きをもった楽器のイメージ。それから、右手テヌートで際立たせてあるメロディーラインは笛、裏拍に表れる強いアクセントはトライアングルといったように、明確にオーケストレーションすることが大切です。それぞれの役割にあったタッチで音色を作れると良いです。小さなオーケストラとしてのピアノの魅力が楽しめる素晴しい曲だと思います。ほんの一部の解説でしたが、練習の参考にして頂けたら嬉しいです。

アプシル:小さな羊飼い(ピティナ課題曲 B級)

20世紀前半にベルギーで活躍した作曲家、ジャン・アプシル。「小さな羊飼い」は8分の6拍子のバルカローレ風の曲で、フランス風の色彩豊かな性格が特徴です。冒頭の左手は5度と長3度が交互にゆらゆら響いて、サティを思わせます。アンニュイな感じで良いです。「リズム」は音楽の根底に流れる大切な要素ですが、ゆるやかな8分の6拍子は小さな子供には理解しにくいようで、例えばブルグミュラーの「牧歌」や「舟歌」も同じ8分の6拍子。大きく揺れる2拍子と脈打つような6つの8分音符を感じられたら気持ちよく曲が流れるのですが、どうもこれが難しいのです。Preの指導では、最初は軽快な2分の2拍子の曲をよく取り上げています。ベートーヴェンの「エコセイズ」やシューマンの「兵士の曲」など。みんな大好きで、ピアノが聴こえてきた瞬間にノリノリで足踏みします。2分の2拍子はとても原始的なリズムなので分かり易いのでしょう。

 

そんな大切なリズム感に注目して、ジャン・アプシルは教育用のピアノ曲をたくさん書いています。彼の語法には同年代のサティやフランス六人組あたりの作曲家と通じるところが多くみられ、リズムを鍛えるだけではなく、フランス的な色彩豊かな響きにも気軽に触れられるのでお勧めです。

ドルチェピアノコンクール ハイライト

9月7日(日)「ドルチェピアノコンクールハイライトコンサート」に小学5年生の生徒さんが出演します。7月に行われた同コンクールで受賞してから、夏休みには新たにベートーヴェンの曲に取り組んできました。 この日はそれぞれのカテゴリーの受賞者が一同に会するコンサートです。足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

【ハイライトコンサート】

場所:春日ふれあい文化センター スプリングホール

一部 10:00開演 / 二部 15:15開演

 
ステージで弾く経験はとても大切。ステージがあればそれを目標に練習するのも一理ありますが、ミラクルが起こるのは弾いた後。不思議なことに本番を経験した子は気がつくと、グンッと成長しているものです。「100回の練習より1回の本番」とはよく言ったものです。モチコピアノスクールで主催するクリスマスコンサートは12/23に、あいれふホールでの大発表会が来年3/25に予定されています。