最終日 観光&打ち上げ

シンガポールといえば、そう、マーライオンですよね。ニューヨークの自由の女神的な存在。2枚目の写真が昨夜のコンサート会場、エスプラネードです。ドリアンの形をした建物が二つ並んでいますが、こちら側からは一つに見えます。そして、巨大なタワーの上に舟が乗ったようなマリーナ・ベイ・サンズ。このエリアはシンガポールの経済を象徴する迫力の建築物が密集しています。全部同じポイントから撮影しています。ドリアンホールに近づくと、ホントにドリアンそっくり。最大規模のシアター、コンサートホールの他にショッピングモールが併設された大型複合施設です。

マレーと西洋の文化が混ざり合って生まれたのが「コロニアル」というシンガポール独特の様式らしく、そのコロニアルスタイルの代表建築がシンガポールの最高級「ラッフルズホテル」(写真左)。街中の広大な敷地にヤシの木がたくさん。オレンジ色の屋根と、通気性のよい窓と広い回廊が特徴です。シンガポールのチャイナタウンは超高層ビルが立ち並ぶ一角の裏側にあります。西洋、マレー、中国といった多文化が混ざり合った感じが面白い。中華街の露店にはガラクタのなかに掘り出し物がありそう。さて、この寺院は何でしょう。こちらも知っている方はコメント下さい。

コンサートの打ち上げはホテルのプールサイドで。その前に、めちゃくちゃ臭いと評判のドリアンをなんとかして食べたかったので、ドリアンスイーツで有名なこちらのホテルで頂きました。臭いだろうと身構えていたのに、このスイーツは絶品。ドリアンはまるで生クリーム替わりのように、果物の繊維を残しつつムース状になっていて、フレッシュで油脂がしつこくなく、口に含むとほのかに甘さが広がります。アイスコーヒーとドリアンパフェで20ドル(左)。コンサートの主役、ルカさんと一緒に(右)。彼の音楽は素直に人の心に届きます。分かりやすいけれど、決して安易ではない。現代には珍しい、美しいメロディーメーカーだと思います。ピアノの曲も書きたいと話してくれました。夢のようなシンガポールの5日間はこれでおしまい。再訪を誓って、さようなら。

本番 企画の面白さとサービス精神

ルカ・ストラディヴァリプレミアコンサートが開演。300席ほどある会場は満員御礼で、各国の大使館の方々もお見えに。今回のコンサートは楽器制作、作曲家、演奏家、様々な才能にスポットが当てられた面白い企画だったと思います。ミーティングポイントが、東南アジア経済の中心であるシンガポールだったことも、注目度が高い理由でしょう。日本人のお客様の姿も多く見られました。

共演したアレクサンダー先生とまさこ先生はお客さんを喜ばせる事が大好きなパフォーマーです。サウンドチェックの後に、アンコールで弾く予定のプッチーニのアリア「O mio babbino caro」のエンディングにひと工夫、演出を加えています。2本のヴァイオリンが1度離れてステージを歩き、最後にまた近づいて見つめ合います。おニ人とも底抜けに明るい方で、とにかく人前で弾くのが大好きなのです。本番でも持ち前の明るさで、会場を盛り上げて下さいました。きっと、風土と音楽は関係しているはず。常夏の国シンガポールの香りを彼らの音楽の中にも感じます。西村さんのヴァイオリン制作に関するワークショップも大好評で、ルカさんの弦楽五重奏もしっかり聴き手のハートを捕まえたようです。

ラジオ出演&ゲネプロ

南国のシンガポール。目が覚めた朝5時半頃には鳥やカエルたちによる大合奏が始まっていました。ピヤ、ピヤ、クー、クルクルと綺麗な声で鳴いています。今日は8時からオンエアのラジオ番組 Smile Wave に出演。ヴァイオリン制作家の西村さん、作曲家のルカさんと一緒にシンガポールの放送局が集まるメディアコープへ。マレー様式の豪邸が軒を連ねる丘陵地を抜けて行きます。20分くらい今回のコンサートについてお話させて頂いたのですが、3人とも慣れないもので的を外しっぱなしのトークを展開しました。イタリア人のルカさんのおふざけはさすが。

 

シンガポールは教育熱心な国で、多くの子供たちがピアノやヴァイオリンを習うけれど、お勉強の一環という認識が強いとききました。最近は国も芸術方面に力を入れて、音楽のとらえかたも文化的になりつつあるそうです。ラジオ番組にも、ピアノを習っているご家庭から「ピアノが長続きする秘訣は何ですか」の質問が寄せられました。うーん、難しい。何でしょうね、上手く答えられたでしょうか。
 
夕方からは、明日の会場エスプラネードでリハーサルです。リハーサルは話し合いながら、というか、おしゃべりしながらゆっくり進みます。南国特有のゆったりテンポですが、決まる所は決まったので問題なしなのか、これもお国柄ですかね。

ルカさん合流 リハーサル二日目

シンガポール二日目の今日は、夕方のリハーサルまで自由時間です。スコアリーディングをした後、チャイナタウンをウロウロ。シンガポールのローカルフードはマレー料理と中華が混ざった不思議な味。麺が二種類はいっていたりアイスにコーンがのっていたり、でも意外といけます。それから、シンガポールで人気らしいフットマッサージへ。

足つぼマッサージがしっかりビジネス化されているのが興味深いです。サロンは清潔感があり、マッサージ師も大勢います。ざっと20席くらいはありました。

 

今日のリハーサルではルカ・ストラディヴァリの弦楽五重奏から始まりました。作曲者のルカさん本人もクレモナから到着。映画ニューシネマパラダイスのようなイタリアの田舎風景が思い浮かぶ作品。親しみやすく、情感豊かな曲でした。これなら、現代音楽だからといって硬く構える必要はありませんね。日本、シンガポール、ロシア、イタリアからのゲスト全員が合流。

シンガポール到着

福岡からシンガポール航空の直行便で6時間、現地のホテルに到着しました。リゾート感のある都心のホテルです。窓の外はこんな景色。高層マンション、ヤシの木にプール、気温は30度あります。これから一息ついてリハーサルへ向かいます。初めてお会いする元シンガポールフィルコンサートマスターでYong Siew Toh 音楽院教授のアレクサンダー先生と、シンガポール在住日本人ヴァイオリニストのまさこ先生は、とてもフレンドリーでエネルギッシュな方でした。

初日の夜ご飯は共演者、主催の方と一緒に。日本人ならではのセンスと技を堪能させて頂きました。北海道から毎日新鮮な食材を空輸しているそうで、その味はまさに日本が世界に誇るSushi!同じビルの中に日系の飲食店がいくつかはいっていて、在住日本人やシンガポリアンに大人気だそうです。食レポになってしまいましたが、良い演奏のためには、良い食事。