
ブラームスの音楽。皆さんはどのようなイメージを持っていますか。重厚な和声、精緻なアンサンブル、ロマンティックで情熱的な音楽。演奏家にとって、室内楽の分野でも多くの功績を残したブラームスはとても親密で特別な存在だと思います。1833年、ハンブルク生まれ。経済的には困窮しながらもピアノ演奏、作曲法を身に付け、シューマンの手助けもあり次第にその才能を開花させていきました。筆者が在籍していたリューベック音楽大学はハンブルクからほど近い古都で、季節は5月頃だったと思いますが、学校をあげて「ブラームス音楽祭」なるものが開催されていました。北ドイツはブラームスのゆかりの大地です。そんな遠い記憶も重なって、特にブラームス作品に取り組む時には気合が入るのかもしれません。
今回のコンサートで演奏するピアノトリオ第一番は、21才という若さで作曲され、その後、老年になったブラームス自身の手により改作されました。有名な冒頭、メロディがピアノ、チェロ、ヴァイオリンへと重なり進んでいくシーンには若いエネルギーが漲っています。ブラームスもこの作品に再び手を入れるにあたって、青春時代を思い起こしたのではないでしょうか。
【Beethoven & Brahms 青春のピアノトリオ】
5/17(土)FFGホールにて14:00 開演