楽器博物館が面白すぎる

ウィーンの楽器博物館にはバロック時代から近代までの楽器コレクション、特にウィーンゆかりの作曲家と関わりの深いものが展示されています。時代を追って見て行くと楽器の改良が作曲家のイマジネーションを刺激してきたことがよく分かります。他では絶対に見ることが出来ない貴重な楽器ばかり。まずはギターの前身リュートやチェロの前身ヴィオラ・ダ・ガンバなどがある弦楽器の部屋から。

ウィーンの楽器博物館では弦楽器や鍵盤楽器の歴史を辿る事ができます。(写真右)ウィーンの楽器制作家シュタインのフォルテピアノ。モーツァルトは7才のパリ旅行でシュタインに初めて会い、その後も親交が続きました。チェンバロからピアノへと鍵盤楽器の主役が移った時代です。(中央)旅行用ミニピアノ。旅の多い作曲家に人気があり、モーツァルトの父レオポルドも購入したとか。筆立て付きで作曲するのに役立ちそうです。(左)ウォルター制作のピアノ。この時代になるとダイナミックの可能性がぐっと広がります。ウォルターはベートーヴェンからも注文を受けて、画期的なピアノを開発。ピアノソナタ「ワルトシュタイン」以降の作品に多大なインスピレーションを与えた楽器。

1930年頃にベーゼンドルファー初期のピアノが登場。それ以降、ウィーンのピアノ制作の主役を独占していると言っていいでしょう。エラール、ブルートナーなども置いてありましたが、写真はほとんどベーゼンドルファーです。インテリアの流行に合わせてピアノの外観が様々に変容しているのが面白いですね。この博物館、人も少なく半日くらいゆっくりと時間が潰せます。コレクションの本を買ったので、帰国したらレッスンでも紹介したいと思います。