大原哲夫講演会 吉田秀和氏の思い出を語る

けやき通りのベニールカフェで小さな講演会がありました。ベニールカフェは警固教室の向かいにあるお店で、時々ランチをしに、時々コーヒー豆を買いにお邪魔しています。

 

音楽・美術評論家の吉田秀和さんをご存知でしょうか?長年日本のクラシック界を評論で牽引してこられた方で、今年の5月に98歳で亡くなるまで執筆活動を続けておられました。講演会では小学館の編集者としてバッハ、モーツァルト、武満全集を手掛け、また、吉田氏の最後の著書「永遠の故郷」を出版された大原哲夫さんが氏との思い出を語って下さいました。

 

なるほどと思ったのは、吉田さんの会話はテープおこしをしたらそのまま文章になってしまうという話。執筆する思考回路で話しているということですね。

 

例えば、演奏会の感想を聞かれて「よかった」「きれいだった」以外の言葉で表現するのは難しいですよね。言葉が浮かばず、簡単に「よかった」などと言ってしまいます。みなさんにも経験がありませんか?音楽を言葉に置き換える発想って凄いです。吉田さんの場合、若い頃は大相撲の実況を聞き、それを文章に組み立てたりして物を言葉で表現する訓練をしていたのだとか。なるほど。