ピアノレッスンでCDを活用する

新しい曲を宿題にもらった時にYOUTUBEやCDを活用することってありますよね。これはモチコピアノスクールの生徒さんが持っているCDなのですが、8小節のメロディーも1トラックとして160曲くらいが収録されています。「聴くだけで上手になる」といった、魔法のCDではありませんが、確実に役に立っています。分からない時は耳から覚えてね、とい言って持たせています。同じシリーズで青、緑のCDもあります。青、緑は曲のレベルも充実していて鑑賞を楽しめるほど充実した内容。YOUTUBEも便利ではあるけれど...玉石混合かな、と思います。子供のコンクールや発表会のアップ動画につられて「こんなに小さいのに、子犬のワルツを弾いている」とか、目的とは違う所に意識が向いてしまう面があるので、先生がある程度良いものをセレクトしてあげることが必要だと思います。この付属CDの他にも時々おすすめを貸し出しています。

 

ある小3の女の子はモーツァルトの伝記に夢中。いつの間にかびっくりするくらいモーツァルトに詳しくなっていたので、魔笛とドンジョバンニの有名なアリアが入ったCDを持たせました。好きこそ物の上手なれと言いますが、ピアノのレッスンでも子供の興味を持続させることが大切。

三善晃 子供のためのピアノ曲

クラシック音楽にも邦人の作品があります。発表会やコンクールのプログラムをめくっても、カタカナの作曲家ばかりがずらりと並んでいますから、邦人の作曲家達は少々肩身が狭そうです。でも、中にはきらりと光る作品もあります。

 

昨年の大発表会では三善晃、音の森から「三度のワルツ」を弾いた生徒がいました。時々聞こえてくる7度の響きに哀愁があって、三善の世界観が垣間みれます。三善晃は日本作曲界の巨星。ピアノ曲も実はたくさん書いている。以前、オーケストラ曲を聴いたことがありますが、暗いイメージが強烈に記憶されています。戦争体験が根っこにある由、彼の音楽がまとっている空気には一種のやりきれない苦痛が漂っています。それでも、三善晃が子供のためにピアノ曲を書いてくれたのは有り難いこと。日本のピアノ教育界において大きな功績です。今年の発表会では海の日記帳から「波のアラベスク」を弾く生徒がいます。けっこう難しいので、必死に練習中です。最近、再びパラパラと三善晃の楽譜をめくっています。

小さなピアニストのための小曲集〜ショパン時代の作曲家達〜

「ショパンコンクール In アジア」の準備のために、新しく楽譜を購入しました。今年は高学年生達がチャレンジすることになりました。世界的ピアニスト、ツィメルマンを育てた先生として有名なヤシンスキ教授が監修したポーランドの小曲が集められています。遅いテンポの曲、速いテンポの曲がバランス良く配置されていて、マズルカやポロネーズの他にタランテラ、メヌエット、コルトダンスなど舞曲のスタイルも豊富です。ポーランド的な情感を若いうちから体験できる素晴しい内容になっています。ショパンの音楽はいまでも世界中を魅了して止みませんが、私もショパンを初めて弾いた時には、これまでに感じたことがない憂鬱な雰囲気とピアノの響きの華やかさに感激したものです。子供達にもショパンのエスプリを感じて欲しい。とは言え、ショパンの曲は難易度が高くそう簡単にはいきません。「ポーランド小品集」には子供たちにも手が届きそうな良曲が多く収められています。ショパンコンクールを受ける目的だけではなく、日頃のレッスンの課題にも取り入れたいと思います。以下、収録曲です。

 

1.ポロネーズ(オギンスキ)

2.マズルカ(オギンスキ)

3.コルトダンス(マリア・シマノフスカ)

4.ガドリーユ(マリア・シマノフスカ)

5.ポロネーズ(マリア・シマノフスカ)

6.ポーランド舞曲(マリア・シマノフスカ)

7.ショパン風マズルカ(クログルスキ)

8.ポロネーズ(モニウシュコ)

9.受け答え(レシュテツキ)

10.ロマンス(レシュテツキ)

11.メロディー(ザレンプスキ)

12.タランテラ(モシュコフスキ)

13.メヌエット(モシュコフスキ)

14.古風に(スタトコフスキ)

15.クラコヴィアク(カロル・シマノフスキ)

音楽表現練習へのピアノ小曲集 バイエル併用

2015年度のピティナの課題曲(C級)でシュモールのポロネーズが取り上げられたのでこちらのシリーズを1〜3巻まで揃えました。曲数が多く一巻だけでもかなりのボリューム感があります。その分音符が小さく、譜読みの習慣がないレスナーには使いずらいかもしれませんが、私としては内容量が多い教材は嬉しいです。幼児期のピアノレッスンでは、第一に音楽的なエッセンスが盛り込まれた作品をたくさん学ぶべきだと思います。選曲の特徴は古典を中心に、歌、オーケストラの編曲も含めたメロディーの美しい曲が多く集められています。

今使っている輸入教材ではロシアや東欧の曲が多いので、時折こちらのシリーズの一巻から抜粋するのもよさそうです。

ブルグミュラー以降の教程では、シューマン、ギロック、プレインヴェンション、フランスの小曲集、カバレフスキーなど選択肢が様々あり困らないのですが、4才のビギナー向けの決定版は見当たりません。

バイエルについては教本というより、すでに文化の遺産になりつつあるでしょう。最後のページに歴史を感じる教程表が書かれてありました。「ピアノ小曲集」多くの情報がない時代に、1〜3巻までこれだけの選曲をするのは、大変な仕事だったと思います。こうして教育用の楽譜を俯瞰してみると、改めてバッハ、バルトークの功績を讃えたくなります。

カイエ・ドゥ・ルモワンヌ 現代フランス小曲集

教室に荷物が到着。楽譜を買うのにも便利なアマゾンです。とくに日本の楽器店では取扱いがない輸入教材を取り寄せる時には助かっています。最近は定番の中古品を買うことも多いですね。内容は変わらない再版前の楽譜はとてもお得です。

 

さて中身を開けてみましょう、ワクワク。

フランスの現代曲が集められた「カイエ・ドゥ・ルモワンヌ1」とシューマンのユーゲントアルバムです。どちらもブルグミュラー25の練習曲との併用が可能な、美しい小品集です。ーゲントアルバムはよく抜粋してピアノレッスンで使われる定番。ブルグミュラーの流れでドイツロマン派を味わうのにはもってこい。「カイエ・ドゥ・ルモワンヌ」は今回初めて手にしたのですが、装丁とレイアウトがとても気に入りました。表紙の手触りがなんだか心地いいです。品のいい現代曲を集めるのが大変な中、この楽譜の選曲は優れていると思います。さっそくレッスンに取り入れましょう。