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これまでに毎年開催で3回続けてきたコンサート「音楽の贈り物」を通じて考えた事を書いてみます。今年は2人の生徒が世界のアーティストと同じ舞台に立ちました。コツコツ頑張った日々の練習に加えて、身震いするほどのワクワクする経験です。また、合唱団として幼い生徒たちにも「本物」に触れる機会を与えることが出来ました。まさに経験こそが若い才能が求めているものです。
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昨今、幼児教室が乱立する中で親御様が音楽教育に注目し熱心に取り組むことは難しくなっています。やることが多ければ、一つのことに費やすエネルギーも分散してしまうのは当然です。そのような時代背景の中で、厳しい訓練を受けて育った音楽家は激減していくだろうと予想され、今後は骨のある音楽教室もほんの一握りとなるでしょう。もちろん、時代のニーズに反した教育をすると教室が淘汰されますから、「本物」を「楽しく」伝えるバランス感覚が必要になります。
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音楽の贈り物で来日されたアレクサンドル先生は共産時代のロシアで育ちました。たくさん興味深い話を伺いました。グネーシン音楽院の寮生活でルームメイトだったザハール・ブロン氏(世界で最も権威のあるバイオリン教師)の話、子供の頃に大作曲家ハチャトリアンの前で演奏した話、シンガポール交響楽団のコンサートマスターとして、未開の地へ赴いた頃の話。音楽の才能と共に歩いた尊敬すべき人生です。豊かな人生の礎となるのは幼少期の教育。最近、特にピアノを習う前段階の0〜3才における理念のしっかりした家庭教育が必要だと感じています。その辺りをもっと充実させて、長い目で音楽家の育成にも寄与出来たらと思います。