2学期の終業式を迎え、ほっと一息です。子供達はサンタクロースのプレゼントを楽しみに眠りについたでしょうか。毎年恒例のクリスマス発表会を無事終えました。日頃の練習に加えて、冬休み前にもうひと頑張りしました。ご家族、お友達にもたくさんお越し頂き、出演者達はほどよい緊張感のなかステージ経験が出来たと思います。
緊張する子もいれば、練習より本番が大好きな子も。レッスンでは気がつかなかったことに、本番ではふと気がつく事があります。技術的なことだったり、精神的なことだったり。最近は特に子供たちの精神面をよく観察するように心がけています。本番の前、練習の調子はどうだろう。舞台袖では緊張しているかな。発表する時の様子は。挨拶の仕方は。間違ったときの反応は。成長の過程で様々な心の変化があると思いますが、ピアノの音はそれをよく語ってくれます。
初めて学校で合唱の伴奏を任された生徒は、驚くほど自信をつけていました。コンクールに初挑戦した生徒は曲を丁寧に仕上げるようになりました。人前に出るのは難しいかな、と思っていたプレの生徒。意を決して手を引っ張って連れ出したら、そこから最後まで弾き通し、にこっと笑いました。練習不足の方は、来年はビシバシ鍛えなければなりません。
いろいろあったけど、今年もメリークリスマス。
講師向けのスキルアップ講座。外部の先生方をお招きして初めての試みでしたから、喋りも少し緊張しましたが、何とか終えました。
自分の中で話す内容はまとまっていたはずが、いざ聞き手に伝えられるように、論点をまとめ始めると意外と難しいことが判明します。昨日の夜中までレジュメと譜例の編集に追われることに。講座の内容は、ドイツ語圏で幅広く使用されている伝統的な教本「DIE RUSSISCHEKLAVIERSCHULE 1」の収録曲を分析して、ヨーロッパのピアノ教育の理念やメソッドについて学ぼう、というもの。私がレッスンを行う上で大切にしているポイントはヨーロッパの音楽教育に由来している所が多く、日本でも紹介したいと常々考えていたのです。ヨーロッパの音楽教育はアメリカや日本とは対照的な立場をとっていると思います。その教育の柱は音楽性と技術の両立です。
「幼い子供が弾く易しいメロディーも、音楽的に弾かれるべきである。
そのためには、どうレッスンしたらいいだろう?」
この最初の問いに対して、教本を分析しながら解説しました。「良さは理解できるけれど、幅広く導入するには難しそう」「先生の技量が試される」「思い当たる生徒さんがいるので、試してみたい」など、感想は様々。私にとっても、いい勉強会になりました。
4月に転勤のため北海道へ引っ越した生徒さんからお便りを頂きました。モチコピアノスクールの一期生だった双子の兄弟。4才でピアノを習い始めた当初から、しっかりと意思をもった子たちで、発表会の曲選びの時などは「これが弾きたい」と譲らなかったのをよく覚えています。お母様も大変な音楽好きです。バッハやシューベルトの曲を熱心に練習されており、子供たちの後にはお母様のレッスンをさせて頂いていました。新天地で新しいピアノの先生のもとスタートし、元気に頑張っている様子。先月開催されたスタインウェイジャパン主催のピアノコンクール北海道大会で入賞したと書かれてありました。初めてのコンクール挑戦を経て、また一回り成長したようです。添えてあった写真はすっかり少年の顔。
こちらはパリへ留学中の生徒さんから。音楽と装飾の関係について研究すべく、大学の修士課程に在籍しながら自身の道を歩まれています。ピアノが大好きなことが伝わってくる明るい演奏をされていたのが印象的でした。センスの良さも彼女ならでは。アートな絵葉書からはパリの香りが... tres bien〜!
スクールを離れた後もそれぞれの場所で夢を追っています。生徒さんの活躍が何よりの励み。さあ、頑張ろう!
ドイツ、フランクフルト在住のギタリスト、リューティストである太田耕平さんのコンサートに行ってきました。クラシックギターを学ぶべく7年間をイタリアで過ごし、その後はフランクフルト音楽大学でリュートとバロックギターの研鑽を積んだ国際肌の音楽家です。同時期に私もドイツとオランダで過ごしていたので、お互いの留学先を訪ねた事もあり大変懐かしい思いで昨日のコンサートを聴きました。
太田さんらしい演出と質の高い演奏に感激しました。もともとバロック音楽が好きだったこともあって、コンサートの案内を頂いた時には「これは聴きたい」と思いました。今回はバロックの中でも日本で取り上げられることが極めて少ない初期イタリアバロックにスポットを当てたコンサート。中国出身、フランクフルト在住の素晴らしい演奏家、キュイ・ホンシャさん(バロックバイオリン)リー・ファンさん(バロックヴィオラ・ヴィオリン)との共演です。
プログラムの紹介文から引用させて頂くと、初期バロックは「分かりやすく」「より人間らしい」音楽が花開いた時代だったとか。コンサートではスクリーンの配色、衣装、トークなど、ささやかな演出が施されていて、そのちょっとしたこだわりが音楽を新鮮で鮮やかなものに引き立てていました。曲はほとんど無名といっていい作曲家によって書かれたもの。ところが、どの曲も実に生き生きとしていました。一人の芸術家の作品というよりは、当時の人々が喜怒哀楽のままに歌い踊っていた姿が浮き彫りなる音楽。
「イタリアンバロック LIVE」新しい音楽の愉しみを発見した一夜となりました。福岡市東市民センターホールにて、小学1年生の生徒さんも一緒に(写真)。
芸術の秋。木々が赤く染まり始め、穏やかな晴れ間が続いています。落ち着いて音楽に耳を傾けるのには最高の季節です。
11/19(木)あいれふホールにてモーツァルトとチャイコフスキーのピアノトリオを一夜で楽しむコンサートが開催されます。「偉大なる芸術家の思い出に」ウィーン古典派の天才とロシアロマン派の巨人。二人の個性的な作曲家を対比させた、意欲的なプログラムです。今年からモチコピアノスクールで教えている藤島先生がピアニストとして出演されます。子供達にはこの機会にヴァイオリンやチェロの音色にも触れて、ピアノとのハーモニーを体験して欲しいです。家族でお出かけしてみてはいかがでしょうか。
三上亮(ヴァイオリン)金子鈴太郎(チェロ)お二人とも国際的なキャリアを踏んだ実力派です。藤島先生との息のあったアンサンブルに注目です。
ピアノ講師向けのスキルアップ講座のご案内です。「ヨーロッパのピアノ教育に学ぶ」をテーマにお話したいと思います。
モチコピアノスクールではドイツをはじめ、ヨーロッパ圏で幅広く親しまれている教材や指導法から多くのアイディアを得てレッスンを構成しています。ヨーロッパの教材からピアノ教育の大切なポイントを汲み取って、レッスンの現場でどのように生かすことができるのか、皆様と一緒に考えます。講座の後には「ピアノの先生 座談会」を予定しています。練習嫌いな生徒への接し方、コンクールの選び方、生徒募集の方法、発表会の運営について、意見交換をしたいと思います。
11/26(木)11:00〜12:30
前半「ヨーロッパのピアノ教育に学ぶ」講師:望月
後半「ピアノの先生 座談会」
参加費無料
参加申し込みはこちらからお願いします。
ワルシャワのショパンピアノコンクールは5年に1度開催される世界最高峰の国際コンクールです。アルゲリッチ、ポリーニ、ツィメルマンなど名だたるピアニストを輩出してきた同コンクールは、数々の国際コンクールが設立されてはその価値が薄れていくなか、現在でも特別な存在であり続けています。ショパンは日本でもこよなく愛されている作曲家ですが、未だ日本人の優勝者は出ていません。ワルシャワでの選考には20カ国から80名の若いピアニストたちが選ばれています。日本からは12名のピアニストが予選を通過し、リサイタルステージ1に登場します。世界の舞台で演奏されるショパンをライブ中継で観ることが出来ます。是非、ワルシャワで弾いている気分でご覧ください。
バロックの音楽にこそロマンがあって素敵だな、と思います。ロマン派の音楽には芸術家その人の個性が作品に投影されていますが、バロックでは多くの職業音楽家たちが様式の中で自由に音を操り、酔いしれ、楽しんでいたのだろうと思いを馳せるわけです。初心者でも親しめるものが、探せばどんどん出て来るのも嬉しい。王道とされるバッハのインヴェンションの他に、全音楽譜から出版されている「プレインヴェンション」はレッスンで重宝しています。J.S.バッハ、C.P.E.バッハ、W.F.バッハ、モーツァルト親子、ヘンデル、テレマンなどの大御所はもちろんのこと、ネーフェ、トュルク、キルンベルガーなどによるバロック時代の小曲が収められているアルバムです。上品で、ヨーロッパ宮廷の雰囲気をまとっています。
今は第六回バッハコンクールの課題曲のソルフェージェットを勉強中。ソルフェージュという言葉に「練習」「訓練」といったニュアンスが含まれます。テクニック面では指の俊敏さと強さが必要な曲ですから、恐らくその意味あいからのネーミングだと推察出来ます。曲想はトッカータ風。ダイナミックで技巧的な曲です。コンクールに限らず、普段のレッスンでも非常に有益な課題になると思います。
習い始めたばかりの生徒さん、4才。椅子に座り鍵盤を使った練習が終わると、大好きなお絵かきの時間です。みんなのお家を作ろう。1階は何の部屋、小さい部屋はいくつある?いろいろな質問に元気に答えてくれます。指がまだ弱くて鍵盤が押せなくても譜読みの練習は4才からスタートします。2ヶ月目でド〜ファまで、いろいろな順番で書いて歌えるようになりました。このように3〜4才のピアノレッスンではお絵かきをしながら、数、形、平面上の位置関係などを学んでいます。お母様は集中力が続くか心配だったようですが、次第にピアノの前に座る時間も長くなってきました。あと一息で波に乗れそうです。
ショパンコンクール in アジアの課題曲について少し解説してみます。3〜4年生部門ではショパンの子犬のワルツop.64-1がリストに入っています。子犬のワルツは手が小さくても上手く弾けますし、ショパンらしいエレガントな表現を学ぶのに適した課題です。技術面では特に右手の俊敏さと左手の伴奏法が鍛えられます。技巧的で聴き映えするという点でモシュコフスキーの「タランテラ」も良いと思います。楽譜を見てみましょう。
冒頭にPrestoと書いてある通り、かなりアップテンポです。手拍子を打つとしたら、2拍子ではもたつきますので、小節ごと1拍になります。アップテンポに自信がなければ、この曲は避けた方が賢明です。速く、con fouco 火のように。スタッカートが書かれている8分音符は短く強く打鍵します。半音階の8分音符がビートを刻んでリズムを引き締めます。最初は丁寧にゆっくり練習しましょう。右手の連打は詰まらないよう指先で速くはじきます。(鍵盤の戻りが悪いと弾きにくいです。)5と7小節にはドミナントのコードがみられます。アクセントペダルと併せて V-I-V-I の和声進行を上手く出して下さい。ペダルは打鍵と同時に踏むアクセントペダルを用います。急速なパッセージのベースによく使う方法です。譜例にはありませんが17小節目以降はシンコペーションのリズムが入ったメロディー、33小節目以降はffにアクセントのついた強烈なパートが出てきます。65小節目以降の中間部はテンポを保ったまま、いたずらっぽいニュアンスに変わります。曲を通して非常に明瞭なタッチで、次々に技を繰り出していくように仕上げて下さい。タランテラはイタリア発祥の舞曲。8分音符の連続からはイタリアらしいはっきりとした言葉の発音が感じられます。まくし立てるように速く。そんな、挑発的なところもタランテラの魅力です。
「ショパンコンクール In アジア」の準備のために、新しく楽譜を購入しました。今年は高学年生達がチャレンジすることになりました。世界的ピアニスト、ツィメルマンを育てた先生として有名なヤシンスキ教授が監修したポーランドの小曲が集められています。遅いテンポの曲、速いテンポの曲がバランス良く配置されていて、マズルカやポロネーズの他にタランテラ、メヌエット、コルトダンスなど舞曲のスタイルも豊富です。ポーランド的な情感を若いうちから体験できる素晴しい内容になっています。ショパンの音楽はいまでも世界中を魅了して止みませんが、私もショパンを初めて弾いた時には、これまでに感じたことがない憂鬱な雰囲気とピアノの響きの華やかさに感激したものです。子供達にもショパンのエスプリを感じて欲しい。とは言え、ショパンの曲は難易度が高くそう簡単にはいきません。「ポーランド小品集」には子供たちにも手が届きそうな良曲が多く収められています。ショパンコンクールを受ける目的だけではなく、日頃のレッスンの課題にも取り入れたいと思います。以下、収録曲です。
1.ポロネーズ(オギンスキ)
2.マズルカ(オギンスキ)
3.コルトダンス(マリア・シマノフスカ)
4.ガドリーユ(マリア・シマノフスカ)
5.ポロネーズ(マリア・シマノフスカ)
6.ポーランド舞曲(マリア・シマノフスカ)
7.ショパン風マズルカ(クログルスキ)
8.ポロネーズ(モニウシュコ)
9.受け答え(レシュテツキ)
10.ロマンス(レシュテツキ)
11.メロディー(ザレンプスキ)
12.タランテラ(モシュコフスキ)
13.メヌエット(モシュコフスキ)
14.古風に(スタトコフスキ)
15.クラコヴィアク(カロル・シマノフスキ)
夏休みもあと少し。皆さん、新学期の準備は整いましたか?
8/30(日)13:00 アクロス福岡にて福岡女学院主催バッハ音楽祭が開催されます。入場無料
夏休みの最後に、子供達とお出かけしてはいかがでしょう。福岡女学院の学生さんを中心に、ピアノ、合唱、ハンドベル、ヴァイオリンなど色とりどりのコンサート。ハンドベルはスクールのイベントでいつかチャレンジしてみたいな、と思ったり。
暑い日が続きます。今日も外へ出て2、3分歩いただけで汗が流れ出る猛暑。そんな中、生徒さんたちは休まず通っています。練習も普段より多く頑張っています。
夏のソルフェージュクラスが土曜日に2クラス開講しました。初めての聴音に取り組んでいます。日曜日のクラスは随分慣れて小学生ながら流石の貫禄。集中力も安定しています。ピティナコンペティション、ドルチェピアノコンクール、グレンツェンコンクールにチャレンジする生徒達。小学校高学年にもなると、子供達の表情が引き締まってピアノもぐんっと上達してきます。今日のレッスンではピティナの地区本選にむけて2人が奮闘中。熱いピアノの夏が続いています。
7/20(月)海の日は一学期の締めくくり、おさらい会。4月に以降に入会された子供たちにとっては記念すべきデビュー。夏のコンクールを受ける上級生にとっては大事なリハーサルの機会でもあります。成長が実感できる一方で、これからの課題もはっきり見えてくるので、学期ごとの集まりは大事にしています。弾く順番はじゃんけんとあみだくじで。紙のプログラムはなく、それぞれマイクを持って名前と曲を自分で紹介してからの登場です。みんな自己紹介からお辞儀までの流れが個性的なこと。プログラムが終了した後には音楽まるばつクイズ。ピアノに関する知識や、作曲家、童謡のストーリなどをもとに10問を出題しました。親御様たちも、ふむふむ、と言った顔で参加して下さいました。「キラキラ星」のふるさとはアメリカである。まるか、ばつか。いかがですか?童謡には国の文化や教育への価値観が反映されているものが多く、改めて調べて勉強になりました。
先日、福岡女学院で催された「親子コンサート」に行って来ました。幼稚園は学園の敷地の中にあり、緑に囲まれた素晴らしい環境。園庭も広々として、走り回って遊ぶ子供たちの姿が印象的でした。校門を通って幼稚園まで新緑のアーケードを通って行きます。「歩こう〜歩こう〜」と歌いたくなる散歩道。音楽会のプログラムには、トトロの散歩やアナ雪などもあり子供たちは大喜びでした。中にはじっと静かに聴いている子もいて、感心。案内して下さった先生のお話では、この季節には裏山になっているすももが旬を迎え、子供達も楽しみにしているとか。秋には園のすぐ隣のどんぐり山で焼き芋も。 小さなお子さんがいらっしゃる方は是非一度足を運んでみて下さい。
ピティナB級の課題曲からクロツキン作曲「手拍子そろえて」を少し解説したいと思います。「手拍子そろえて」はリズムが軽快な子供らしい曲です。譜例を見ての通り、4分の2拍子でメロディーは左手が担っています。
最初のポイントはやはり右手の裏拍のリズム感。それから、左手のメロディーを豊かに歌うこと。スタッカートとスラーが記されていますから、アーティキュレーションの明瞭さも大切です。2段目にスビートピアノで強弱を変えると、より表情豊かになります。技術面で特に難しい箇所はなさそうですが、8小節目の16分音符などは転ばずにすっきり通過したいところです。分かりやすい曲だけに、タッチと表現の明瞭さが大きな柱になると思います。この曲を通して正確なリズムとタッチを身につけて下さい。
2015年度ピティナコンクール課題曲の中から、5〜6年生の課題曲バルトークのソナチネについて少し解説したいと思います。予選では近代・現代を弾かなければいけません。譜読み慣れしていないと近現代の複雑な楽譜に戸惑ってしまうけかもしれませんが、技術的には程よく、音楽的な良曲だと思います。モチコピアノスクールからはC級の予選に3名が参加する予定です。「柿の種」湯山昭作曲、「ソナチネ」バルトーク作曲の2曲を推したのですが、生徒達たちはソナチネのダイナミックでカラフルな音色が気に入ったようで3人ともバルトークを選曲しました。
打楽器風のシンプルな前奏。スラーと強いアクセントの動きで鼓笛隊が行進しているような雰囲気を出せると、ワクワクするオープニングになりそうです。拍子感が最大のポイント。
基本のダイナミックはフォルテですが、左手の八分音符にはメゾフォルテ。ベースにはスフォルツァンドも見られますね。アーティキュレーションを見ると、テヌート、アクセント、スラーが見られます。小節を2-2-1-1-2で区切るとよいでしょう。左のベースにスフォルツァンドがついているのは、大太鼓などの大きい響きをもった楽器のイメージ。それから、右手テヌートで際立たせてあるメロディーラインは笛、裏拍に表れる強いアクセントはトライアングルといったように、明確にオーケストレーションすることが大切です。それぞれの役割にあったタッチで音色を作れると良いです。小さなオーケストラとしてのピアノの魅力が楽しめる素晴しい曲だと思います。ほんの一部の解説でしたが、練習の参考にして頂けたら嬉しいです。
2015年度のピティナの課題曲(C級)でシュモールのポロネーズが取り上げられたのでこちらのシリーズを1〜3巻まで揃えました。曲数が多く一巻だけでもかなりのボリューム感があります。その分音符が小さく、譜読みの習慣がないレスナーには使いずらいかもしれませんが、私としては内容量が多い教材は嬉しいです。幼児期のピアノレッスンでは、第一に音楽的なエッセンスが盛り込まれた作品をたくさん学ぶべきだと思います。選曲の特徴は古典を中心に、歌、オーケストラの編曲も含めたメロディーの美しい曲が多く集められています。
今使っている輸入教材ではロシアや東欧の曲が多いので、時折こちらのシリーズの一巻から抜粋するのもよさそうです。
ブルグミュラー以降の教程では、シューマン、ギロック、プレインヴェンション、フランスの小曲集、カバレフスキーなど選択肢が様々あり困らないのですが、4才のビギナー向けの決定版は見当たりません。
バイエルについては教本というより、すでに文化の遺産になりつつあるでしょう。最後のページに歴史を感じる教程表が書かれてありました。「ピアノ小曲集」多くの情報がない時代に、1〜3巻までこれだけの選曲をするのは、大変な仕事だったと思います。こうして教育用の楽譜を俯瞰してみると、改めてバッハ、バルトークの功績を讃えたくなります。
先日、あいれふホールにて第一回モチコピアノスクール大発表会が開催されました。
たくさんのご来場、ありがとうございました。
これまでに行ってきたおさらい会、クリスマス発表会とは一味違った緊張感、ワクワク、ドキドキ感が漂っていました。音楽で一番大切なことは、自分らしく表現してメッセージを伝えることだと思います。その意味を考えると、ピアノのレッスンはレッスン室だけで完結するものではないでしょう。やはり、演奏してこそ、生きた音楽なのです。発表会では当日のホールリハーサルも一人づつ行ないました。プレコースの生徒さんは、楽屋から舞台袖、ステージマナーに至るまで事前にチェック。入念な準備の甲斐があって、本番では全員が堂々とピアノに向かうことが出来ました。高学年の生徒達には、リハーサル中にアドバイスを与えました。本番を聴くと、この1日の経験でぐんっと伸びていることが分かります。本当に、子供達の才能は計り知れません。
長い音楽の1日が無事終わり一息つくと、ホール発表会を続けていくのは色々と大変なことはあるけれど、来年もみんなの演奏が聴きたい。そんな気持ちになっています。第二回が開催出来るように、日々のレッスンと教室運営に取り組んでいきたいです。
ご支援くださった皆様、本当にありがとうございました。
しだいに暖かくなり、けやき通りの景色も春めいてきました。ところが、PM2.5のおかげで今朝の福岡の空は真っ白。
少し風邪気味なのも重なって、朝からガラガラ声でのレッスン。日曜日は9時からレッスンスタートです。来週の水曜日にはあいれふホールで発表会があるので、生徒達は本番さながらに気合いの入った演奏を聴かせてくれました。午前の最後は高学年生対象の聴音・ソルフェージュのレッスンです。
このクラスの生徒達はピアノに熱い上級生なので、発表会では小さな子供たちの憧れの的。引き締まった表情で、音を聴いては楽譜を起こしていきます。始めてから半年が経ちましたが、驚くべき上達ぶりです。
出会いあれば、別れあり。三月には3人の生徒さんが遠く県外へ転居となり、お別れの日がやってきました。5年生のアイコちゃんと、年長さんの双子カイくん、シュウくんたちです。アイコちゃんは私が福岡で教え始めた時からの生徒さんで、カイくんシュウくんはモチコピアノスクールのプレコース一期生。今日が最後のレッスンだと思うと、感慨深い気持ちになりました。レッスン後に教室の入り口で記念撮影。
生徒達がこれから大きく羽ばたいて、いつかこの写真を懐かしく手に取る日を楽しみにしています。親御様のサポートが本当に素晴らしく、これまでお付き合いさせて頂いた経験はモチコピアノスクールの大きな財産になりました。
本当に長い間、ありがとうございました。3人とは、3/25(水)の発表会を最後にお別れです。是非、福岡最後のよき思い出になるように、思い切り弾いて欲しいと思います。GO! GO !
新年、明けましておめでとうございます。お正月の福岡では近年では珍しく雪が降りました。雪だるまをつくれる程はつもらなかったのですが、外を見ると一面に雪の屋根が広がっていました。モチコピアノスクールでは4日に特別レッスンが行われ、大人の生徒さんが数名参加されました。皆さん、休み中は殆ど弾けなかったとはいえ、ショパンのバラード一番、グリークのホルベルク組曲、ベートーヴェンのソナタなど、素晴らしい演奏を聴かせて下さいました。
レッスン室の絵本コーナー。新年はこちらの本に衣替えです。明日からは通常のスケジュールでレッスンがスタートします。子供達から冬休みに遊んだ話を聞くのが楽しみです。今年も音楽と共に、生徒の皆様と共に歩んでいきたいと思っています。何卒、宜しくお願い致します。